レカネマブ(レケンビ®) 外来
アルツハイマー病による軽度認知障害（MCI）と軽度のアルツハイマー型認知症に対する新薬レカネマブ( レケンビ®)についての説明と､当院でのレカネマブ外来の設置に伴い､受診から投与までの外来受診の流れについて説明させて頂きます｡
内容を熟読頂き､ご理解の上予約の取得をお願いします。
内容を熟読頂き､ご理解の上予約の取得をお願いします。
レカネマブ(レケンビ®) について
レカネマブ(レケンビ®) はアルツハイマー病の治療薬として2023年12月20日に保険承認にされた薬剤で､軽度のアルツハイマー型認知症とアルツハイマー病による軽度認知障害（MCI）の症状進行を予防する効果が示されています｡
レカネマブは｢抗アミロイドベータ抗体｣といい､アルツハイマー病の原因となる不溶性アミロイドベータ凝集体(老人斑)になる前段階の可用性アミロイドベータ(プロトフィブリル)を減少させることで症状の進行を遅らせます。
本剤の使用について､厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構から｢最適使用推進ガイドライン｣が発出され､対象者､使用法などが厳格に規定されています｡
本剤の投与の有効性が期待できるかどうかは､投与前に当院で診察ならびに検査を受けて頂いた上での判断となります｡本剤の有効性が期待できない病状である場合や､禁忌にあたる既往歴がある場合は､他の治療を提案する場合がありますのでご了承下さい｡
レカネマブ(レケンビ®) は投与対象が厳格に決められているため､投与が可能かを外来にて検査を複数行う必要があり､複数回の受診と時間とをお願いしております｡
レカネマブは｢抗アミロイドベータ抗体｣といい､アルツハイマー病の原因となる不溶性アミロイドベータ凝集体(老人斑)になる前段階の可用性アミロイドベータ(プロトフィブリル)を減少させることで症状の進行を遅らせます。
本剤の使用について､厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構から｢最適使用推進ガイドライン｣が発出され､対象者､使用法などが厳格に規定されています｡
本剤の投与の有効性が期待できるかどうかは､投与前に当院で診察ならびに検査を受けて頂いた上での判断となります｡本剤の有効性が期待できない病状である場合や､禁忌にあたる既往歴がある場合は､他の治療を提案する場合がありますのでご了承下さい｡
レカネマブ(レケンビ®) は投与対象が厳格に決められているため､投与が可能かを外来にて検査を複数行う必要があり､複数回の受診と時間とをお願いしております｡
適応条件：
1. 認知機能低下が軽度になっていること
MMSE(簡易認知機能評価尺度) 22点/30点以上 ；紹介元の病院または当院で測定します
CDR(認知症の重症度評価尺度) 0.5または1(日常生活は自立している､もしくは服薬管理や金銭管理等の障害はあっても身の回りのことは自立している)；当院言語療法士が測定します。日常生活についても質問があるため､日常生活の状況を知る家族の同伴が必須となります｡
基準に満たない場合はレカネマブ投与の対象外となります。認知症の心配がある場合、ご自身で認知症センターへご相談いただきます。
CDR(認知症の重症度評価尺度) 0.5または1(日常生活は自立している､もしくは服薬管理や金銭管理等の障害はあっても身の回りのことは自立している)；当院言語療法士が測定します。日常生活についても質問があるため､日常生活の状況を知る家族の同伴が必須となります｡
基準に満たない場合はレカネマブ投与の対象外となります。認知症の心配がある場合、ご自身で認知症センターへご相談いただきます。
2. MRI 検査で以下の所見がないこと
･認知機能低下を説明できる多発性脳梗塞
･禁忌事項に指定される所見
A：1cmを超える脳出血の痕跡
B：5個以上の脳微小出血
C：脳表ヘモジデリン沈着症
D：血管原性脳浮腫
1.5テスラ以上のMRIで評価する必要があります。（当院では1.5テスラ、3テスラMRIがあります）
以下の検査どちらかによるバイオマーカー検査が必要となります｡
･禁忌事項に指定される所見
A：1cmを超える脳出血の痕跡
B：5個以上の脳微小出血
C：脳表ヘモジデリン沈着症
D：血管原性脳浮腫
1.5テスラ以上のMRIで評価する必要があります。（当院では1.5テスラ、3テスラMRIがあります）
- アルツハイマー病であることを示す脳内アミロイドベータ(Aβ) の沈着が証明される｡
以下の検査どちらかによるバイオマーカー検査が必要となります｡
3. アルツハイマー病であることを示す脳内アミロイドベータ(Aβ) の沈着が証明される｡
以下の検査どちらかによるバイオマーカー検査が必要となります｡
- A.髄液中Aβ42/40比率の低下( 腰椎穿刺による髄液検査)；外来で15分ほどかけて検査します。２時間ほど安静にしたのち帰宅となります。
- B.アミロイドPET検査；佐賀県内に行える施設はなく、福岡県にある当院関連病院（福岡和白PET画像診断クリニック）で受けていただくことが可能です。
A.髄液検査
B.アミロイドPET検査（関連病院にて）
以上の3つの項目を全て満たした方で､説明･内容を充分にご理解ご納得いただいた段階で投与開始となります｡
初回投与のみ１泊２日入院で行います。（副反応の確認、対応のため）
初回投与後より､2週間に1回来院していただき､外来処置室で静脈点滴投与します｡点滴にかかる時間は約1時間半です。
投与開始から半年程度は､脳の腫れや脳の出血等の副反応を生じる可能性があるため､定期的な脳MRI検査が必要となります｡
初回投与のみ１泊２日入院で行います。（副反応の確認、対応のため）
初回投与後より､2週間に1回来院していただき､外来処置室で静脈点滴投与します｡点滴にかかる時間は約1時間半です。
投与開始から半年程度は､脳の腫れや脳の出血等の副反応を生じる可能性があるため､定期的な脳MRI検査が必要となります｡
当院での外来受診から投与までの流れについて
レカネマブ(レケンビ®)は投与の対象となる方が厳密に決まっておりますため､投与開始までに少なくとも4回の受診が必要で､下図のような流れとなります。
1. 1回目受診
脳神経外科専門医が診察を行います｡その後､高次脳機能の評価を行います｡（紹介の場合、紹介元でＭＭＳＥ検査を行っていただきます）
頭部MRI検査を受けて頂きます｡（所要時間は約30分です）
全体では2時間程度が想定されます｡
適応外と判定される場合、診療終了となります。
適応と判定される場合、次の検査日程を調整します。
頭部MRI検査を受けて頂きます｡（所要時間は約30分です）
全体では2時間程度が想定されます｡
適応外と判定される場合、診療終了となります。
適応と判定される場合、次の検査日程を調整します。
2. 2回目受診
高次脳機能の評価（CDR検査）を行います。（所要時間は約１時間です）
適応外と判定される場合、診療終了となります。
適応と判定される場合、次の検査日程を調整します。
適応外と判定される場合、診療終了となります。
適応と判定される場合、次の検査日程を調整します。
3. ３回目受診
腰椎穿刺を行います。処置室ベッドで横向きになっていただき、腰に細い針を刺して、脳脊髄液（約3.5～4.5cc）を採取します。その後、２時間ほど安静にしていただきます。当日の入浴は控えていただきます。
１週間ほどで検査結果が出ます。（電話でご連絡します）
適応外と判定される場合、診療終了となります。
適応と判定される場合、次の検査日程を調整します。
＊腰椎穿刺が困難な場合、またはそれ以外の検査をご希望の場合には、福岡和白ＰＥＴ画像診断クリニックでアミロイドＰＥＴ検査を受けていただきます。
１週間ほどで検査結果が出ます。（電話でご連絡します）
適応外と判定される場合、診療終了となります。
適応と判定される場合、次の検査日程を調整します。
＊腰椎穿刺が困難な場合、またはそれ以外の検査をご希望の場合には、福岡和白ＰＥＴ画像診断クリニックでアミロイドＰＥＴ検査を受けていただきます。
4. ４回目受診
レカネマブ(レケンビ®)投与の説明を行い、説明同意書をお渡しします。投与について再度､説明文書を熟読して頂きご本人ご家族ご理解の上、ご署名ください。（同意書は入院時に提出してください）
5. 入院（１泊２日）
同意書（ご署名あり）を頂き､体調に問題がないことを確認した後にレカネマブ(レケンビ®)投与を行います｡
入院当日に１時間ほどかけてレカネマブを点滴投与します。
レカネマブは抗体製剤であるため､投与後に発熱や関節痛などのアレルギー反応が出る場合があります｡特別な副反応がなければ翌日退院となります。
入院当日に１時間ほどかけてレカネマブを点滴投与します。
レカネマブは抗体製剤であるため､投与後に発熱や関節痛などのアレルギー反応が出る場合があります｡特別な副反応がなければ翌日退院となります。
負担額について
レカネマブ( レケンビ®) 投与による費用負担の概算は下記の通りです｡なお､概算は薬剤のみ(診察と検査費を除く)の費用で患者負担額を提示しています｡また､対象者の診療行為､所得により負担上限額が異なりますのでご了承ください｡
高額療養費制度が利用できます
高額療養費制度とは､医療費の支払いが年齢や年収に応じた限度額を超えた場合､超過分の払い戻しを受けることができます｡介護費と合算する制度など負担を軽減するさまざまなしくみが設けられています｡
＊高額療養費制度利用のポイント
1 限度額適用認定証を治療前に取得しておくと､窓口での支払いは自己負担限度額までの支払いで済みます｡
2 70歳以上で年収約370万円未満､または約1,160 万円以上の方は､高齢受給者証と健康保険証の提示だけでよく､限度額適用認定証の取得は不要です｡
3 マイナンバーカードを健康保険証として利用すると、限度額適用認定証の申請手続きや提示が不要です。
高額療養費制度とは､医療費の支払いが年齢や年収に応じた限度額を超えた場合､超過分の払い戻しを受けることができます｡介護費と合算する制度など負担を軽減するさまざまなしくみが設けられています｡
＊高額療養費制度利用のポイント
1 限度額適用認定証を治療前に取得しておくと､窓口での支払いは自己負担限度額までの支払いで済みます｡
2 70歳以上で年収約370万円未満､または約1,160 万円以上の方は､高齢受給者証と健康保険証の提示だけでよく､限度額適用認定証の取得は不要です｡
3 マイナンバーカードを健康保険証として利用すると、限度額適用認定証の申請手続きや提示が不要です。
レカネマブ外来受診の流れ（初回投与まで）